わびしいもの(枕草子風)

わびしいもの
朝の通勤電車で
いつもは座れないのに タイミング良く座ることができたにもかかわらず
隣のサラリーマンが大股を広げて座り
うとうとと眠りに入りながら 腕も脱力するものだから
隅に追いやられながら
肩身を狭くして座っているさま


そのサラリーマンの体温が高く
接触している部分からじんわりと熱を感じ取って
あまり気持ちがいいものではないので
体の向きを変えて 熱から逃れようとするが
もう片方が壁になっているため
それ以上体を寄せることもできず
いっそのこと立っていようかと思うものの
前にも人が立ちはだかり
身動きが取れないさま

いとわびし・・・